かがなべて

言葉遊びと、毎月の歌仙など

2020-01-01から1年間の記事一覧

十二月の連句会 歌仙「水澄て」の巻

椿、かな? ッ先月は、初折の裏四句目まででした。 蝉時雨果て星の出揃ふ 正藤 美しい付け。この後はそろそろ恋の欲しいころ。 五句 片ならべはやぶさ2はどのあたり 中江 てちょうど竜宮からの玉手箱が地球に届けられるそのころあいでしたので。二人で星空…

十一月の歌仙 水澄ての巻

先月は初折の表五句目月の座まででした。 篠笛の静寂を縫ふや冬の月 正藤 夜の静寂に嫋嫋と芸子さんの偲び笛。金沢情緒あふれる一句でした。さてそれに続けての句は 雪吊始む唐崎の松 佐藤 金沢の景。やや絵ハガキ的ではありますが。雪吊はきれいなものです…

歌仙水澄て の巻

新しい歌仙水澄てのまきがはじまりました、 発句 水澄て水の深さを失へり 正藤 水の澄む秋。あまりにも透明で水底がけざやかに見えることを逆説的表現が一際印象付けます。句姿もすっきりとみずのつめたささえかんじられるような一句。 旅の子の掌にのす木の…

九月の歌仙 名残の裏

歌仙「雛の家」の巻満尾 名残の裏 路地裏にパン焼く匂い朝の風 中江 名残表の最後の句がいかにも乾燥して寒そうな冬ざれのくでした。冬は、パンを焼く匂いが一入懐かしく良く匂いがする時節ですよね。 晴るる兆しの西空あかり 正藤 ここ北陸でもお天気は西か…

八月の歌仙

八月の歌仙 八月の歌仙、名残の表,八句めからです。季節は秋。 少しためらい蛇穴にいる 佐藤 蛇は洋の東西を問わず不思議な智慧を持つ生き物と思われていますが、その蛇にして、ためらう。わかる。 淋しさに野焼きの焔追いつづけ 笹次 すごいさびしさですね…

七月の歌仙 名残表 コロナ禍の中、歌仙を巻くのは不要不急ではないと信じる風狂の志士があつまりました。さて、六月は 花の定座。お花見に、木の芽田楽を食べている下戸の人物が現れました。お酒の出る席は、私もあまり好きではありませんが、花を眺めながら…

芭蕉の館歌仙 雛の家の巻六月

初折の裏 後半 久しぶりの歌仙です。不要不急といえばこれほど不要不急なものもないでしょう。歌仙を巻くなんてね。 こちらの歌仙の会では恥ずかしながら捌きのほかに、祐筆、披講と三職兼ねているので、私は結構忙しいんです。あ、絵も描いているので四職か…

芭蕉の館歌仙「青梅雨の巻」

雅客をお迎えして お名前だしてもよろしかったでしょうか。岸本葉子様をお迎えしての歌仙でした。平成29年六月のことです。 青梅雨の巻 発句 青梅雨や九谷の皿に山の景 岸本 脇 古き窓辺に届く南風 橋本 僻村は曽て天領紬織る 梶 ざる蕎麦うまき茅葺の店 月…

初歌仙

芭蕉の館で初歌仙 加賀市山中温泉芭蕉の館での初歌仙。清書したのでここに載せておきます。平成26年の事です。山中温泉への挨拶に始まっています。. 歌仙湯の香の巻 山中や湯の香変わらぬ青葉闇 おるか 古き館につどう夏服 上出 木地を挽く若き女の腕細く …

歌仙 雛の家 の巻 三月

歌仙を巻きつつ書いています 先月会場の都合で初折五句目「夏の月」で終わっていた歌仙。 まずは初折の最後、六句目 コロナに揺らぐ列島極暑 正藤 うう、熱いですね。夏にはパンデミックも収まっていると良いのですが。時事を読み込むのも、実際に顔を集めて…

歌仙「雛の家」の巻 二月の雪の日、会場の芭蕉の館のお部屋には豪華な雛飾りがしつらえてありました。 冬の薄墨色の景色を見てきた目には色鮮やかな春の魁のようで一入嬉しい心持がします。 さて、新たな歌仙を巻き始めました。まずは芭蕉の館館長さんの一句…

歌仙桐一葉の巻 満尾 名残の裏に入りました。あまり重くならず、さらさらと続けて余韻嫋嫋と終わるのがたしなみなんだとか。 さて、名残の表は冬の句 サンタがためす回転木馬 平井 という愉しい句で終わりました。名残の裏一句目は無季の句をお願いしました…