二月の雪の日、会場の芭蕉の館のお部屋には豪華な雛飾りがしつらえてありました。
冬の薄墨色の景色を見てきた目には色鮮やかな春の魁のようで一入嬉しい心持がします。
さて、新たな歌仙を巻き始めました。まずは芭蕉の館館長さんの一句
幾年を一座つどいて雛の家 平井
この館で、連句の会を始めて何年になるのでしょう。けっこう長く続いてます。御挨拶の一句。
北窓開き風と光と 西
冬の間、固く締めきっていた北の窓を開くとさっと新たな息吹が入ってきます。そういう風に、一座も集い新たな風や光もはいって来ますね、というさわやかな付け。
惜春のふるさとの道なつかしく 中井
惜春と最初に言ってますから、なつかしくまで云う必要はないかなとは思いますが、春の終わりの気分としていただきました。
夕暮れ色の皮手帳買う 橋本
皮表紙の手帳を皮手帳というのは日本語としてどうでしょうね。次は夏の句
米をとぐ水存分に夏の月 律子
夏の気分ですね水に触れているの気持ちよくざぶざぶと思う存分水を使うその上に、夏の月が涼し気にかがやいている。夕暮れから夜になりました。
さて来月はどんな展開になるでしょう。楽しみです。初折の表最後は夏の句もう一句かな。