かがなべて

言葉遊びと、毎月の歌仙など

八月の歌仙 「山眠るの巻」満尾

八月はお盆休みを避けて今日23日となりました。山中温泉がテレビに放映されたとかで今日は観光客らしい方々が大勢あるいていらっしゃいました。連句会の会場の芭蕉の館も見学の方が次々お見えでした。

さて、そんな中で、いよいよ名残の裏、残り五句です。一句目は

  ペン握り日頃の多弁一句なし   井上

でした。つづきはもう一句無季の句を

 

  海を見に行くバスを待ちゐて  中江

 

そうですね。何も思い浮かばないときは外に出て景色を眺めるのが一番かも。

 

三句 浅き春フラフープのごと土星の環  佐藤

 

目が回りそうなスケールのフラフープですね。

 

四句 木の芽田楽味噌派しょうゆ派   佐藤

 

花の定座を前にしての木の芽田楽。楽しい運びです。さていよいよ花の座です。実は、私は今年はどこにもお花見に行けませんでした。コロナのことありますが。ウクライナの戦争の悲惨な光景を目にするとなんだか沈んでしまって。

せめて句の中でも花を満喫したいものです。

 

五句(花の定座) 老桜幹の低きに蕾をり   元田

 

 

桜の古木に、幹からじかに一輪の花が咲き出すことありますね。幹の方はゴワゴワ、ごつごつしている中に、可憐に咲き出す花の姿は、ひとしお哀れ深いものがあります。いい句ですねー。感銘うけました。

ついに挙句です。

六句 からくり時計春の闌けたる    笹次

 

からくり時計のこまごました仕組みの中に、春たけなわの時間が紛れてゆったりと流れる。面白い取り合わせです。

今回は、なかなか変化のある面白いまきでした。ただ、その場の勢いでさばいてしまって同じ言葉が重なったりしてしまうのは、ひとえに私のいたらなさの故です。反省してるつもりなんですが、何度も同じことやらかしてますね。気を付けましょう。