
さて先月は、恋の句の後
黒柿の上がり框に腰を据え 佐藤
と淡々としたようすでしたが、今月その後に
過ぎし日のことたぐり寄せつつ 笹次
これで、恋の終わりらしくなりました。上がり框にゆったりと腰を据えて何事も無いような顔をしている人物も、心のなかは複雑だったのですね。
次は秋の句
湯の香り金木犀の香にまぎれ 平井
湯の町の秋の景色ですね。
セーラー服に赤い羽根付け 正藤
なんとなく地味な句が多かったので、これで少しは明るくなりましたでしょうか。
珈琲の冷めぬ間の秋思ふと 林
ほんのつかの間の物思い。秋思なんて、そんな大仰なものではありませんよという顔ですが、何かにつけてものを思ってしまうのが、物思いというものですね。次は無季の句
読みかけの本窓の辺に伏せ 橋本
最近は三冊同時に読んでいますので、すぐに伏せます。もう一つ無季の句を、
鳥声に耳を傾けしばらくを 中江
秋空から、鳥の声もいろいろふってきます。
十一句目に遅めの冬の月を出したいので次の十句目も冬の句おねがいしましょう・
こころたひらに茶の花日和 佐藤
きれいですね。茶の花日和って、おだやかな初冬らしい。
渓流の川面に歪む寒の月 正藤
これは寒そう。
ながれながれてながれてながれ 平井
うまいなー!名残の表はさらさらすすみましたので、もう一句いけそう・名残の裏の第一句は
日めくりのけふの言葉のあたたかく 笹次
日めくりのカレンダー、今日は何の日かとか、俳句とかいろいろ情報が載っています。「今日の言葉」を楽しみにしている方も多いようです。暖かな言葉と、ようやく暖かになってきた春の季節感とが重なり合う、おだやかな一句です。
さて、来月はいよいよこの歌仙も大団円かな





