かがなべて

言葉遊びと、毎月の歌仙など

2021-01-01から1年間の記事一覧

十二月の歌仙「山眠るの巻」

パンデミックに明け暮れた今年もはや月末、新しい歌仙が始まります。 何かと忙しい冬の日に集まった風狂の友。当季の立句を所望いたしました。 音はみな谺となりて山眠る 正藤 枯れて明るくなった山を谺がさまよう。不思議に明るい虚無の響き。付けが難しそ…

十一月の歌仙「ほととぎすの巻」満尾

あやとり橋から、鶴仙渓の紅葉を見下ろす 会場の芭蕉の館の庭の紅葉が驚くほど美しい日でした。ほととぎすの巻も、ついに名残の裏。 一句目は無季の句 磯釣の沖の巨船の動かざる 笹次 二句目も無季で、とおねがいしました。 籠軽くして歩みのおもし 正藤 キ…

山道のツリフネソウ 歌仙ほととぎすの巻十月は、 名残の表の八句めからです今回は月もすでにでてしまったのでどうなりますでしょう 七句め 残菊の光あつめしひとところ 佐藤 この美しい句につけるには、と考えたのですが 静けさ募る湖畔の日暮れ 正藤 の句を…

九月の歌仙「ほととぎすの巻」名残の表

先月で初折も終わり名残へはいります。山中温泉という土地柄、山の景色が多いので、気分を変えるようにお願いしました。無季の長句で。 さざ波を潟にのこして暮れなづむ 正藤 さっそく汀の景色。季語を入れずに自然詠は結構難しい。つぎはちょっと忙しいけれ…

歌仙 ほととぎすの巻八月

先月は初折の裏五句まででした。 句会場隣席したき君を待つ 正藤 今回はしばらく無季の恋句が続きます。 声の軽やか飛石を来る 笹次 茶室でなくとも綺麗な御庭の飛び石を軽やかにやってくる明るい声が、まず耳に入ってくる。ドキドキですね。 大杉に廻す腕の…

七月の歌仙

写真は伊吹麝香草です。季節違ってますけど。麝香の匂い、かなぁ? さて今月は初折の裏に入りました。 古道ゆくもののふの夢ふくらみて 平井 熊野古道とか歩いてみたいものです。王子を巡って往時をしのぶ。ハハハ 風吹き渡る梢の音に 中江 古道を辿ると風邪…

六月の歌仙 ほととぎすの巻

六月の歌六月の歌仙 今月から、また新たに歌仙を巻き始めます。 写真は、当季の発句をお願いして、ものの十五分くらいで集まった句、句、句、です。 すごいでしょう!大量の上に質も高い。 発句なので、丈高く、と、いうことで、、 ほととぎすしきり湯の町目…

五月の歌仙

さて、水澄やの巻もとうとう名残の裏となりました。一句目は先月に戴いております。 鳥獣懐に抱き山眠る 正藤 さて二句目は 水ひそやかに凍滝の裏 佐藤 素晴らしい付けですね。凍った滝の裏にはひそやかに水が流れているのだ。前句の、冬の最中、深い慈愛に…

四月の歌仙水澄むや の巻

岩やつで 楚々とした風情の山草ですね 三密を避けて連句の会今月は名残の表の終わり九句目から やや早めですが秋の月を所望しました。 そこで集まった月の句がかくのごとし。 大量! 十分かそこらでこれほどの句句が! どれを選ぼうか贅沢に悩みましたが、こ…

三月の歌仙 水澄むや の巻

芭蕉の館 玄関吹抜け ようやく春めいてきた山中温泉。名残の表。二句目に恋の呼び出しがありましたのでうけてたちましょう。 緑陰に誘ひ話の続きなど 中江 さりげないけれどなかなか。枝影の揺れる中に「お話の続きが…」などと誘う。なかなかの恋の巧者の句…

二月の歌仙 水澄むやの巻

一月はお休みでしたが、今月は歌仙を続けます。ソーシャルデイスタンスちゃんととってます。隣室にはお雛様。外は雪。 さて、今回は十句め、花の定座を前に春の月をだしていただきましょう。 増穂が浦の月のおぼろに 笹次 増穂が浦は桜貝で有名な美しい海岸…