歌仙ほととぎすの巻十月は、
名残の表の八句めからです今回は月もすでにでてしまったのでどうなりますでしょう
七句め
残菊の光あつめしひとところ 佐藤
この美しい句につけるには、と考えたのですが
静けさ募る湖畔の日暮れ 正藤
の句をいただきました。しかし名残表の第一句めに似ている、とご意見があり、確かに似てるなと思ったのですが、すでに巻紙に筆書きしてしまった後だったので、そのままにいたしました。こういうこともある…。
待ち逢はす寺の門前石蕗の花 中江
待ち合わせるのは恋人だろうと、、突然恋がはじまりました。
さて、続きは、
一度断る焼き藷もらふ 佐藤
一度恥じらって断るところに恋の気配あり。
ほかにも寺小姓と美僧の恋の句などもありましたけれど、かわいらしい恋で。
帰り花アルバムめくる指の先 中江
昔の恋のアルバムをめくれば思い出は帰り花のように胸に開く。ロマンチックです。
名残の表終わりの句は無季で
揺らぐ仕組みのラムプの灯り 橋本
前句の指先や心には揺らめくものがあったろうというつながりで。
さて気分を変えて名残の裏へまいります。
磯釣りの沖の巨船の動かざる 笹次
句会の場所が山中温泉なので、自然山の景色が多くなりますので、海は目新しい気がいたします。名残の裏の展開が楽しみです。