かがなべて

言葉遊びと、毎月の歌仙など

二月の歌仙 水澄むやの巻

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一月はお休みでしたが、今月は歌仙を続けます。ソーシャルデイスタンスちゃんととってます。隣室にはお雛様。外は雪。

さて、今回は十句め、花の定座を前に春の月をだしていただきましょう。

 

増穂が浦の月のおぼろに   笹次

増穂が浦は桜貝で有名な美しい海岸です。季語にもなっている「貝寄風 かいよせ」の吹くところ。次はいよいよ花の定座

 

花を見に花のにほひのする方に  佐藤

 

私はどうも、桜の句となるとどうしても構えてしまうようです。それで、この飄々とした句風には虚を突かれました。

さて初折の裏のおしまいの句は、

 

御女中集ひ弥生狂言  村井

 

いやはや、桜の花の匂いに誘われていったら、何という賑わしさ!御女中の嬌声が聞こえてきそうです。狐に化かされたような光景。オモシロい!

さていよいよ、名残にはいります。

 

塩大福遠慮の一個手をだして  佐藤

 

俳句は、てにおは を省略することが多いですが、ここは難しいところです。「一個に」と省略するべきでないという意見もあるかとは思います。なくても意味はわかりますけどね。ちょっと食べ物欲しいところでしたので。

 

占い欄に待ち人来たる  村井

 

恋の呼び出しだそうです。ありがとうございます。