かがなべて

言葉遊びと、毎月の歌仙など

十二月の連句会 歌仙「水澄て」の巻

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椿、かな?

ッ先月は、初折の裏四句目まででした。

蝉時雨果て星の出揃ふ  正藤

美しい付け。この後はそろそろ恋の欲しいころ。

五句  片ならべはやぶさ2はどのあたり  中江

 

てちょうど竜宮からの玉手箱が地球に届けられるそのころあいでしたので。二人で星空を眺める。ロマンチックかつニュース性もあるおだやかな恋の句

 

幹にもたれて語るゆくすへ  正藤

 

先ほどの恋人たち公園デートだったのか。それともハイキングか。青春っぽい。

 

二人とも越前蟹をもてあまし  笹次

 

わかる。お皿に丸々一匹立派な蟹を出されると、慣れないものはどうやって食べたらよいのかわかりませんよね。

 

関守石に冬の日当たる  佐藤

 

恋の終わり、恋離れにふさわしい光景。関守石が鎮座しているところを見ると一線は超えず節度を守ったのでしょうかね。

 

晩鐘の静寂這ひ来る大広間  正藤

 

無季の句ながら格調が高い。作者は一人深いもの思いにふけっていたのでしょう。晩鐘が静謐な部屋のなかに這うがごとく低く響いて来る。人気のない大広間に、孤独感がいやます。名吟ですね。

しかし、ここでなんとしたことか、私ったら、月を落としています。恋に浮かれて月を落としてしまった。ひとえに私のうっかりミスです。お恥ずかしい。

仕方ない、来月花の定座の前に春の月でも出してもらいますか。ああ、