先月は初折の表五句目月の座まででした。
篠笛の静寂を縫ふや冬の月 正藤
夜の静寂に嫋嫋と芸子さんの偲び笛。金沢情緒あふれる一句でした。さてそれに続けての句は
雪吊始む唐崎の松 佐藤
金沢の景。やや絵ハガキ的ではありますが。雪吊はきれいなものですね。さて、初折の裏へ入ります。
別院の門前に立つ蚤の市 笹次
特に金沢というわけではないけれど、古都の風景。
そぞろ歩きて鳥の声聞く 中井
最初は掘り出し物はないかとあちこち歩きまわってみるけれど、いつしか鳥の声などに、耳を澄ましている。気持ちも落ち着いてくるのでしょうね。
さて今回は春を飛ばして夏へ行きます。
夏めくや船主集落よろい張り 佐藤
「よろい張り」は壁板の張り方の一種だそうです。海の臭いがしそうです。
蝉しぐれ果て星の出そろう 正藤
夏の終わりの光景。星の瞬き方がものすごく綺麗。
今回も前回に続きいつもより選に時間がかかってしまいました。来月は初折の裏もなかほどから。