新しい歌仙水澄てのまきがはじまりました、
発句
水澄て水の深さを失へり 正藤
水の澄む秋。あまりにも透明で水底がけざやかに見えることを逆説的表現が一際印象付けます。句姿もすっきりとみずのつめたささえかんじられるような一句。
旅の子の掌にのす木の実独楽 笹次
「掌」は「て」と読んでくださいませね。でないと七七にならないので。
見知らぬ子供との一瞬の邂逅。ごくごく淡い思いが、澄んだ水の印象とどこか通じるところもあるかと思い戴きました。三句目は
枯野ゆく言葉の破片ひらひつつ 笹次
芭蕉の、辞世の句に駆け巡って以来,枯野は俳人の戦場ですね。作者は言葉の破片を拾いながらさまよう。詩人の独白。枯野を行く気分は前句の旅の気分を受けていると思います。
飛行機雲の残る夕空 橋本
今回は私が迷いすぎてしまって、初折の表を終えられませんでした。らいげつは月の定座からです。冬の月ですね。