歌仙桐一葉の巻 初折 裏
さて先月は、月の後、無季の句が続きました。トランクが出て、旅への誘いがあったので、今月は、その続き。冬の旅ですね。
一句目 冬うららビルを映してビルの窓 正藤
あまり旅って感じでもないですが、まぁ人生は旅なり、と言いますしね。「冬うらら」という言葉がめずらしい。
二句 焼藷割れば湯気まで甘し 西
ビルの谷間の焼き芋屋さん。美味しそうです。
三句 そろそろと噴火しそうな山の神 弘美
ははは。これは恋の呼び出しなんでしょうか。山の神様の地雷を踏んじゃったんですね。うう怖いです。
四句 いつもと違うマニキュアの色 佐藤
これもある意味怖い。いつもと違うマニキュアの色を見せつけられる恋人の心境を思えば。こわい。
五句 目の合えば重ねるグラス星涼し 笹次
夏の句をお願いしてほっとしました。仲良くグラスを重ねているご様子です。夜景の見えるレストランの光景でしょうか。
六句目 他人の恋の嘘っぽく聞く 弘美
さすが恋句の巧者 弘美さんです。この方の恋の句は毎回さえわたっていらっしゃるんです。たしかに恋する人は傍から見たらおかしい、というか・理解不能というか。ちょっとやそっとでは嘘っぽく聞こえてしまうのが恋というもの。
さて来月は初折も後半に入ります、楽しみです、。