名残の裏に入りました。あまり重くならず、さらさらと続けて余韻嫋嫋と終わるのがたしなみなんだとか。
さて、名残の表は冬の句
サンタがためす回転木馬 平井
という愉しい句で終わりました。名残の裏一句目は無季の句をお願いしました。
贈られて使わずじまい食器類 西
作者は最近、四国徒歩遍路を終えられたところだそうです。素晴らしいですね。
サンタさんといえばプレゼント。しかし戴いても使い道に困るものもある。わかる…。
次も無季の短句で、
朝の厨に鼻歌聞こえ 中井
食器→厨,とやや縁の近いものではありますが、サラッと次へ運ぶことにしました。
たんぽぽに幼なごころのはちきれて 笹次
子供のころは蒲公英摘んだり絮を吹いたりするのは楽しみでしたね。さて次も春の句。
うららかなれば夫誘いましょ 佐藤
かろやかでいいですね。素晴らしい。さて次はいよいよ花の定座です。
行列の薄墨桜とおく見て 平井
誘いあって出かけた先は行列の向こうの桜でしたか。有名の桜の周りはどこでもこうですね。道は渋滞、遠目に実ながら行列にならぶ。さて揚句は
盃かさね春惜しみたる 笹次
李白の詩を思い出しますね。両人対酌山花開一杯一杯また一杯…
取り立てて珍しい句ではありませんが花の後の気分はこのようなものかな、と。
これで昨年八月に始まった桐一葉の巻も、めでたく満尾となりました。
文台を引き下ろせばすなはち反古なり。立ち葵に赤とんぼの図もこれで巻き納めです。